今回遺言書を書くに先立って、保険金の受取人の指定を遺言書で行う場合について確認したいことがあって保険会社に問い合わせをしました。
遺言書で保険金受取人を指定することについては、保険法44@に「保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。」と規定されています。いわゆる「できる規定」なので、保険の契約内容や時期によっては認められない場合もあります。
その点も含め確認するためコールセンターへ電話したのですが、残念ながら、担当者は遺言書がどういったものかよく理解していないようで、私の確認したいことが(取り敢えず)伝わるのに1時間、回答を得るのに更に30分を要しました。
遺言書は遺書とは異なり、民法に規定された法律文書です。そして、遺言書の内容は遺言者の意思であり、その効力が遺言者の死によって有効になるという点に特徴があります。
簡単に言うと、遺言書に書いてあることは違法であったりしない限りはその通りに実現されるべきものです。生前に保険金受取人を指定するのと遺言書で保険金受取人を指定するのは基本的に同じことです。
ただ、遺言書が有効になった時点で遺言者は既に死亡しています。そのため、遺言書の内容が不明確であっても本人に確認できません。そのため、遺言書の記述が不明確だと、たとえ遺言者の意思であっても実現されるとは限りません。しかし、遺言書の内容が明確で、その内容が法律や契約などに違反しないものである限り、遺言書に書かれた遺言者の意思は尊重されるべきものです。
判断能力に問題のない成人が自分の財産をどのように処分するのも自由です。その自由が遺言書を通して遺言者の死後も保障されているということです。言い換えると、遺言書とは遺言者の自由が実現される最後の機会なのです。
続きを読む