2020年07月29日

補助金?助成金?給付金?

コロナ禍の現在、補助金、助成金、給付金という言葉を聞かない日は殆どないといっても過言ではないでしょう。でも、補助金、助成金、給付金って何が違うのでしょう?

結論から言えば、ケースバイケース。共通しているのは、国・地方公共団体が国・地方公共団体以外のものに交付するお金という点です。ただ、大まかな枠組みとしては、補助金=事業に対して助成金人に対して給付金=その他という感じはあります。

上記の区別は絶対的なものではなく、「助成金」と銘打っても事業に対して交付される例が地方公共団体に多く見られます。ただ、国レベルで言えば、厚労省=助成金その他の省庁=補助金という感じです。これは、厚労省の役割が労働者(つまり人)の保護にあるからだと思われます。

補助金の対象となる「事業」とは、事業者が行う研究開発、販路開拓などの「事業活動」のことです。つまり、新商品の開発・製造または普及に関する活動は一定のリスクを伴うので事業者が及び腰になり折角の成長のチャンスを逃さないように後押しするのが補助金です。

一方、助成金は事業者が雇用する労働者を保護するために交付されることが多く、代表的な助成金である雇用調整助成金やキャリアアップ助成金は、労働者の生活保障や労働者の成長の促進など、人である労働者に対して交付される点に特徴があります。

ただ、助成金の多くは事業者を通して間接的に交付されるので、雇用主である事業者次第で労働者に対して交付されるか否かが変わってしまう点が問題視されているのはご存知の通りです。

最後に給付金ですが、国内居住者全員に1人あたり10万円が交付された特別定額給付金は記憶に新しいところです。上記の、補助金や助成金以外で交付されるものを給付金と呼ぶようです。

そのため、持続化給付金や家賃支援給付金のように事業者に対して交付されるものであっても補助金(事業の成長促進)や助成金(人の保護育成)に該当しないものは給付金と呼ばれています。

補助金、助成金、給付金の違いをザックリとまとめてみました。これらの違いは法律に定義されているものではないので、ケースバイケースです。ただ、補助金がその時その時の社会情勢にあわせ事業者や経済の成長を促進するために交付されるのに対し、助成金は社会情勢に翻弄される労働者を保護するために交付されるという特徴はあると思います。そして、そのいずれにも当てはまらない給付金は極めて臨時的なものだと言えるかもしれません。

そのため、補助金=申請者全員がもらえるわけではない、助成金=要件を満たせば全員がもらえるという違いが生じます。

以上のように大まかな違いはありますが、国・地方公共団体から国・地方公共団体以外のものに交付される金銭で返済不要であることは共通しています。そして、不正に受給すると、返還はもちろんですが、刑事罰もあるという点も共通しています。

必要に応じて受給するのは当然のことですが、決して不正に受給しないことも当然のことです。念のため。

posted by 涌井史明 at 23:52| Comment(0) | 補助金
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